本業を誇れ

清水ミチコ

というツイート。これには明確に答えを持っている。それは、
男はたまにしか料理しないから。
スパイスを混ぜ合わせて本格的なカレーを作るとか、キャンプになると張り切ってアウトドア料理をするとかも同じ。
今日の夜も明日の朝も昼のお弁当も夜も料理を作る主婦の方が、わざわざ蕎麦打とうとは思わないもの。たまーに気まぐれで料理を作る、という「趣味」に料理を置くことのできる男だからこそ蕎麦を打つなどという余興が許される。
もちろん料理が根っから好きな人というのはいて、例えばうちのお袋などは家で朝晩の飯と夫娘息子の弁当を作ったあげく仕事でも料理を作って、それでいてたまの休みには料理本見ながらドーナツを揚げたり雁月をふかしたりしてた。1年間育休を取って毎日料理を作っていて、しまいには家でピザをこねて焼き始めた変わり者の男友達もいる。
だけど「僕けっこう料理するんです」とドヤ顔で言う人に限って、普段料理どころか皿を洗うことすらしない。それでいて、休日とか自分に時間がある時だけ急に手の込んだ料理を始めるのね。
これって料理に限らない話で、本業で作ったものより、「素人の手習いですけどー」つってやってるものほど人は自慢したがる。逆に、なんやら毎日忙しそうで「今日も徹夜だ……orz」ってツイートしてるわりに、肝心の「これを作りました!」っていうのが出てこないってことがよくある。それか、「とあるプロジェクトを進行中w」とか意味深なことを言ってその後どうなったか分からんっていう。
本気で、あるいは生業としてやってるものを批判・否定されるのは誰しも辛いもので、それでも承認欲求はあるから「これが本業じゃないんです」というエクスキューズをかざして何か別のもので認知されようとしているのだと思う。
だけど「これは趣味なんです」って言われるともう批判のしようがないわけで、その先には馴れ合いフォロワーによる「いいね!」の応酬しかないわけだ。真似事をいくら誇ってもそれは真似事なわけで、ヘタクソでも人生かけてやってるもののほうが感情を揺さぶられるし、批判とかの前に敬意が生まれる。
最近何やってますか?