6.4

今日は愛犬の命日。いまは大船渡の今出山という山のてっぺんに眠っています。以下は5年前にこのブログに書いたエントリの再掲。小学生の作文みたいだな。。

忠犬シロ

黒猫を飼ってますが白い犬も大好きな飼い主ですこんにちは。仙台から実家に帰ってきました。親父と酒を飲みながら話をしているうちに、今日が愛犬シロの命日だということを思い出しました。しかも13回忌にあたる年。何気なく帰ってきたつもりでしたが、どうやらシロが呼んでくれていたみたいです。

――シロは僕が小学1年か2年の頃、ウチにやってきました。やってきました、というか、親父の実家に家族で帰省していたとき姉貴とこっそり車に隠して家まで連れて帰ったのです。以来、小中高と十数年にわたって僕はシロと一緒に育ちました。学校でいじめられてはシロに相談して、女の子にふられてはシロの前で泣いて、嬉しいことがあればシロに報告して、何をするにもいつもシロと一緒でした。我が家は両親共稼ぎ、姉貴とは歳が離れているので、家族よりも一緒にいる時間が長かったかもしれません。

そんなシロとの最初の別れは大学進学で上京したとき。だいぶおじいさん犬になっていたのでもう何回も会えないのかな、と思うと悲しかったけど「夏休みには帰ってくるから、それまで元気で生きてろよ」と言ってお別れしました。そして数日後、入学式を終えて判明した学籍番号がなんと「****-046」。「シロ」だ! こういう場合、偶然ではなく必然だと考えるタイプなので、シロが応援してくれているんだな、と思いました。

2回目の別れはそれから約2ヶ月後。6月3日に親父から電話があり、シロの具合が悪いので電話で最後のお別れをしておけ、と。シロは僕が東京に行った直後に病気になり、辛うじて生き延びたものの、だいぶ弱っていたのでした。親父が受話器をシロの耳元に当て、僕が呼びかけたところ、病気以来ほとんど鳴くことがなかったシロが「ウォォォォーン」と遠吠えをしたのです。それはハスキー系特有の狼のような遠吠えで、いつも僕が聞いていたシロの声で、電話越しにもはっきりと聞こえてきました。

その翌朝、シロは亡くなりました。声を聞いて僕が帰って来たと思ったシロは、約束を守ったと思い安心して逝ってしまったのでしょう。連絡を受けた僕はひとりアパートで泣き続けました。大学へも行かず泣き続けました。

……あれから12年。それだけの時が経っても命日をはっきり思い出せるのは、今日の日付が6月4日だからです。6.4。「シロ」を逆にした日なんです。