常連客とは

1月は新年のよく分からない慌ただしさ、2月・3月はカンヅメで飲みに出歩かず、その反動で4月はよく飲み歩く月だった。馴染みの店にも今年になって初めて顔を出すという有様で、「明けましておめでとうございます」などとおどけてみせて非礼を詫びるなど。
お気に入りの飲み屋を増やすとそれだけ個々の店に行く回数は減ってしまう。新規開拓とリピートのバランスはなかなか難しい。飲めば当然そのたび金が出ていくのだ。
それでも日々の飲み歩きの賜物で行き着けの店は増えた。それなりに常連客として扱ってもらえることに密かな喜びも感じていたが、『酒とつまみ 第10号 特集:山手線一周ガード下酩酊マラソン/酔客万来=玉袋筋太郎/』の連載「バーテンダー・酒を語る」を読んでいて身の引き締まる思いがした。

常連客は、店の顔なのです。単に来店頻度が高いというだけではなく、その店をよく知り、その店の雰囲気というものを形作っている。それが常連であることの証と言えるでしょう。
街角のバーでも同じことで、単に毎日のように来るから常連なのではない。そのお客さんが店に馴染み、お客さん同士も馴染み、そこに、その方がいること自体が、一種の雰囲気になるような方。それが常連客です。

まだまだだな、と反省し今日もまた私はのれんをくぐるのであった。


酒とつまみ 第10号 特集:山手線一周ガード下酩酊マラソン/酔客万来=玉袋筋太郎/

酒とつまみ 第10号 特集:山手線一周ガード下酩酊マラソン/酔客万来=玉袋筋太郎/